追跡調査5・7年間 仕事のストレスで不整脈が増える
私たちは日ごろから「ストレス」という言葉をよく使います。それは、不快な心理的重圧であったり、感情的な興奮であったり、あるいは深い悲しみの感情だったりと、人によってさまざまでしょう。
仕事上のストレスと不整脈の関連を検討した最新の研究論文が、欧州の心臓病予防学に関する専門誌に2017年5月30日付で掲載されました。
この研究は、スウェーデンにおける労働衛生調査のデータベースを用いて、1万3200人(平均47.4歳)を対象に解析を行ったものです。
職業性のストレスを感じていた2608人と、ストレスを感じていない1万592人が比較され、不整脈(心房細動)の発症リスクが検討されました。なお、結果に影響を与えうる年齢、性別、被験者の教育水準、喫煙状況、体格指数(BMI)などの因子で統計的に補正して解析を行っています。
中央値で5.7年間、追跡調査した結果、ストレスがない人に比べて、ストレスがある人では、不整脈の発症リスクが46%増加傾向にあることが示されました。また、過去に報告されていた類似研究2件の結果と、今回の研究結果を統合して解析(メタ分析)すると、不整脈のリスクは37%、統計的にも有意に増加することが示されました。