がんゲノム医療は日本人のデータベース構築が急務だ

公開日: 更新日:

 国内の乳がん全体の5~10%が、病的バリアントが原因の「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」と推定されている。2013年に米国の女優アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査で病的バリアントを持っていることが判明し、乳がん・卵巣がんともに通常の10倍以上発症しやすいことから、乳房と卵巣を切除したことが話題になった。

■日本の遺伝子検査数は世界の100分の1

 世界では、このような遺伝子検査が年間数十万人に行われていると推定されるが、日本でこれまで受けた人は数千人程度。どうしてなのか。

「日本の場合、これまで米国のデータベースを使った評価しかできませんでした。しかし、病的バリアントの種類は人種によって大きく異なります。米国のデータベースは日本人の情報が非常に少ないため、日本人で見つかった遺伝子バリアントが病的バリアントであるかどうかの判断が難しい場合が多くありました。それで、日本人独自のデータベース構築が急務だったのです」

 今回の研究では、乳がんの原因となる11遺伝子を理研が独自に開発したゲノム解析手法を用いて1781個の遺伝子バリアントを同定。うち244個が病的バリアントと判明し、半分以上は米国のデータベースには未登録だったという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」