片頭痛に新治療法 「予兆療法」で頭痛薬いらずになるのか
「異常気象時代の片頭痛にどう対応するかを考えていく中で、行ったのが予兆療法です。急性期治療の薬が不要になった患者さんもいます」
片頭痛の経過は、予兆期、前兆期、頭痛期、回復期に分類される。郭院長は、予兆期に行って頭痛発作の阻止あるいは軽減を目的とする治療戦略を予兆療法と呼ぶこととした。
片頭痛の予兆は視床下部や脳幹の機能が関与しており、症状は首や肩の凝り、生あくび、眠気、食欲増進、甘いものを欲す、イライラ、むくみ、だるい、光や音が不快など。前兆期は、キラキラ・ギザギザの光が見えるなどがある。
■めまい薬で全患者の86%に効果
郭院長が片頭痛患者334人に予兆と前兆について聞くと、予兆がある人は322人(96%)で「首や肩の凝り」が最多。前兆がある人は39人だった。天候の変化で頭痛発作が誘発される人は236人、めまい症がある人は265人いた。
334人中、①予兆あり②天候の影響③めまい症あり――の条件を満たす111人に、めまい症の薬ジフェニドールを予兆期に服用してもらった。気圧の低下を耳の奥にある「内耳」のセンサーが感知して、内耳から脳幹への興奮の伝達で頭痛発作が誘発される。ジフェニドールは、この興奮を調節し、予兆期にて頭痛発作を阻止する。