著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

A型インフルエンザが大流行 予防に加湿器は必要なのか?

公開日: 更新日:

 インフルエンザのかつてないほどの大流行が続いています。皆さんはどのようにして予防していますか? 最近よく言われているのが、空気が乾燥しているとインフルエンザにかかりやすいので、部屋の加湿が重要だ、という意見です。実際に厚生労働省のサイトにも、インフルエンザの予防のために湿度を50%以上にすることが推奨されています。しかし、そこにどれだけの根拠があるのでしょうか? 

 インフルエンザは日本のような温暖な気候では温度も湿度も低い時に流行します。しかし、熱帯では雨期に流行しているなど、必ずしも湿度の低い時期だけにはやっているわけではありません。また、インフルエンザにはA型とB型がありますが、そのタイプによっても湿度や温度との関係は違っているようです。

 今年の微生物学の専門誌に掲載された最新の論文では、日本と似通った流行をしているカナダでの調査結果が報告されています。それによると、一般に湿度といわれているのは「相対湿度」と呼ばれる指標で、それによるとB型インフルエンザは低いほど流行するものの、A型インフルエンザはむしろ高いほど活動が活発化していました。

 これは屋外の湿度の話なので、室内の加湿がA型の予防に無意味ということではありませんが、湿度とインフルエンザとの関係は、言われているほど単純なものではないようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド