また近年、患者に造血幹細胞を大量に移植すれば、事前に抗がん剤や放射線を使ってがん化した白血球を含む血液細胞を殲滅しなくても効果が期待できるという報告がある。造血幹細胞の大量培養によって、患者が強力な抗がん剤や放射線による副作用と闘わなくても済むようになる可能性もあるのだ。
さらに、共同研究を行ったスタンフォード大は、造血幹細胞を数カ月にわたって培養できるようになったことで、患者自身から造血幹細胞を採取してゲノム編集を行い、遺伝子変異を修復して再び患者に戻す移植が期待できると報告している。液体のりの成分であるPVAが、白血病の治療を一気に進歩させるかもしれない。