糖尿病で移植 南部虎弾さん「ボクは腎臓を3つ持っている」
腎臓移植の話が出たのは2018年の年末です。「血液型が違っても腎移植はできる」という医師の言葉に真っ先に反応したのはカミサンでした。「私、チャレンジしてもいいですか?」と言ってくれて……。ただ、条件がいくつもあるんです。最初の3つは「がんを持っていないこと」「C型肝炎ではないこと」「たばこを吸わないこと」でした。でもカミサン、その時点でヘビースモーカーだったんです。
それでも、乳がんやら子宮がんやら7つのがん検査を無事にクリア。そこからさらに2人の腎臓が結合するかどうかが問題でした。合わない場合は、付けた瞬間に腎臓の細胞が死んでしまうらしいんです。その条件も7つほどあり、そのうちの6つが×でした。ただ、一番大事な条件の1つが○だったので、移植の可能性は残ったんです。
最後の難関は、カミサンの血液の血漿成分を取り出して、ボクの血漿と入れ換える血漿交換でした。1回目は90%合わず、2回目は60%ダメ。3、4回目もダメが続き「もう移植はできないんじゃないか」と諦めかけたとき、奇跡のように手術のゴーサインが出たんです。