著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胃がん<5>術後補助化学療法は第2版で「エビデンスに乏しい」

公開日: 更新日:

 S―1は「テガフール」「ギメラシル」「オテラシルカリウム」という3種類の薬を配合したもので、カプセルや錠剤として服用できます。

 これを1日2回、4週間連続で服用し、その後2週間休薬。合計6週間を1クールとし、1年間続けるのです(S―1単独療法)。入院の必要はなく、通院のみの治療となります。

 抗がん剤というと、「嘔吐」「口内炎」「下痢」「脱毛」などといった副作用を連想してしまいます。骨髄抑制といって、白血球数が減って感染症にかかりやすくなることもありますし、肝機能障害、腎機能障害もよく起こります。副作用が強く出てしまうと、患者の体力がもたず、治療の中断を余儀なくされることも少なくありません。

 S―1にもそうした副作用がありますが、他の抗がん剤よりはずっと弱いといわれています。また副作用を抑える薬も種類が増えてきました。それでも1年間にわたって飲み続けるのですから、それなりの覚悟は要りそうです。

【連載】ガイドライン変遷と「がん治療」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」