若いころから面倒見が良ければ老いてからも快適に過ごせる
一方で、体力や新しい知識は、若い世代が得意とするところだから、高齢者は助けてもらえばいい。認知症であっても、若い世代と「ウィンウィン」の関係は維持できるのだ。そうした関係は認知症の進行を抑える効果があるのは間違いない。
認知症になろうがなるまいが、若いころから「面倒見の良さ」を心がけて生きていれば、今度は自分が「面倒見の良さ」の恩恵を受けて機嫌よく人生の後半期を過ごせるわけだ。やや教訓めいた言葉を使えば「因果応報」である。ただし「面倒見の良さ」とは、ときに相手にとって耳の痛い話をしなければならないこともある。相手はそれを受け入れなければならないこともある。このことはお互いに忘れてはならないだろう。
耳の痛い話をしない「忖度人」ばかりを周りにおいていれば、寂しい人間関係の中で生きていかなければならないし、年を重ね、役職や地位がなくなったときに周りから人がいなくなってしまう。ここでいう「面倒見の良さ」には、常にフェアネスが同居している。それが人間関係の本当のやさしさというものだ。