ケンカして「退院」を告げられた膵臓がんの患者の胸の内
「カーテンをしていても、消灯台の明かりが天井の方で漏れるから明るい」と言われたのです。険悪になったきっかけは、夜に私が何度もトイレに行くもので、怒ったCさんから「うるさいな」と言われたことでした。
昨日の朝、看護師さんから「Aさん、トイレが近いなら廊下側のベッドに代わりましょうか?」と聞かれました。でも、私は窓側がいいのです。外のイチョウの木が見えて、気持ちが和むのです。
そんなことがあって、けさ、Cさんから「あなたは勝手な人だ」と言われ、胸ぐらをつかみ合ってのケンカになりました。その時、当直の先生と看護師さんが飛んできました。そして、担当医から「ケンカなんてするなら退院してください」と言われたのです。
私はすぐ謝って、「おとなしくしていますから、腹の調子が治まるまでこのままおいてください」とお願いしました。入院する時の案内に書いてある「療養生活について守らなければならないこと」は読みました。でも、腹が痛いままで退院して、たった1人で家にいたら死んでしまいます。私には家族も親戚もいませんから。