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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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 一方、豪州は、紫外線を吸収するオゾン層が薄い上、穴が開いている部分もあります。それで皮膚がんの原因となるUVBが地表にダイレクトに到達。皮膚がんの発生率が世界一高いゆえんです。

 紫外線との関係が明らかになり、今では豪州のがん教育に紫外線対策の重要性が盛り込まれています。「外で遊ぶときは、日焼け止めを塗りましょう」と。

 メラノーマは、紫外線などの環境因子のほか遺伝的背景がそれぞれ関わって発症します。白色人種の発生率は、有色人種よりも数倍高く、紫外線の強い地域に住む白色人種の発生率はさらに高いという報告も。

 その点、日本人は有色人種でオゾンの問題もありません。豪州は白色人種が多く、オゾンの問題も重なりますから、ダブルパンチです。

 比較的皮膚がんのリスクが低い日本でも、海辺のバーベキューや登山などで長い時間大量の紫外線を浴びるときは、紫外線対策をするのが無難。通勤や少し散歩に出掛けるくらいならそこまで気にせず、紫外線を浴びてください。紫外線対策はほどほどが大切です。

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