精巣をうっ血させる精索静脈瘤の手術は高校生でも受けるべきか
実際の方法については、左精索静脈瘤の場合、左鼠経部の皮膚を約2・5~3・0㎝切開して操作を進め、精巣につながる精索と呼ばれる束を体外へ露出させます。精索には、「動脈」「静脈」「精管」「リンパ管」「神経」が通っています。手術用顕微鏡を用いて、静脈だけを結紮する手術を行います。動脈を傷つけると精巣委縮、リンパ管を損傷すると精巣水瘤を起こす原因になるので、熟練度が要求されるのです。
手術後の注意点として、術後3~4週間は下半身に力を入れる運動は控えるように指導します。不妊治療の再開時期に関しては、手術直後から許可しています。
手術の時期に関しては、精液所見が不良である場合は早めに手術をお勧めします。一方、精液所見が正常な場合はまずは様子を見て、約半年の間に妊娠がなければ手術を検討します。ただし、女性の年齢が35歳以上の場合は、妊孕性が低下傾向であるため早めに手術を行うようお話ししています。
■体格ができあがっていれば手術してもОK
精索静脈瘤は、思春期や高校生の男子でも見られることがあります。症状は無症状だったり、精巣痛を訴えて発見される場合もあります。