「フィニッシュ」が苦手な男性にはカウンセリングと行動療法を
さきほどのAさんは、何度も診察を重ねてカウンセリングと行動療法を継続しました。当初より「足を伸ばさないと射精まで至らない」とのことでした。そこで、奥さんに寝そべってもらい、その上にAさんが被さる格好で、足を伸ばした後背位で挿入をして、自慰に近い体位で挿入するのが気持ちがいいと分かりました。
また、腰の使い方の練習では腰を意識して気持ちのいいポイントを探るように指導を重ねていきました。さらにマスターベーション用の補助器具として「マスターベーションエイド」の使用も勧めました。
初診から数カ月、あともう少しで膣内射精ができそうな一歩手前まで到達しました。
「Aさん、がんばりましたね」
「はい。なんとかうまくいきそうな感じがします」
性行為は、誰もが普通にできると思っているかもしれませんが、膣内でうまく射精ができないと悩む方は大勢いるのです。また、膣内射精障害は治らない方がたくさんいる印象がありますが、私はカウンセリングと行動療法で改善するケースも経験しています。
治療には女性の協力が必要なのは言うまでもありません。恥ずかしがらずにできれば夫婦揃って男性不妊治療専門医を受診してみてください。