著者のコラム一覧
小川誠司仙台ARTクリニック副院長

1978年、兵庫県生まれ。2006年名古屋市立大学医学部を卒業。卒後研修終了後に慶應義塾大学産科婦人科学教室へ入局。2010年慶應義塾大学大学院へ進学。2014年慶應義塾大学産婦人科助教。2019年那須赤十字病院副部長。2020年仙台ARTクリニックに入職。2021年より現職。医学博士。日本産科婦人科学会専門医。

「不妊検査で異常なし」=「不妊ではない」ということにはならない

公開日: 更新日:

 28歳のA子さんは結婚後2年たっても子供ができないため、不妊治療を専門とするクリニックを受診。不妊検査で「両側の卵管が閉塞している」と言われました。そこで卵管を広げて閉塞を解除する卵管形成術を受け、2カ月後に自然妊娠されました。

 不妊治療で妊娠したと聞くと、このように治療をして何かしらの原因を治し妊娠した、という経過を思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか。しかし、実はこうしたケースは不妊治療の世界ではごくわずかなのです。

 不妊治療では、A子さんのように検査結果に基づいて、治せる原因がある場合にはそれに対する治療を行います。しかし、妊娠までの過程はそのほとんどが体内で起こっており、検査で明らかにできることは非常に限られています。卵子と精子が正常に受精しているか、受精した胚が育っているのかは女性の体内で起きていて、もはや調べようがありません。したがって、「不妊検査では異常がなかった」=「不妊ではなかった」ということにはならないのです。

■不妊治療は「治す」のではなく「補う」治療

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