新型コロナに感染した透析患者に有効な治療がわかってきた

公開日: 更新日:

 連日、透析除水を行って肺にたまった水を抜いても酸素飽和度は改善せず、入院3日後の抗原定量検査でも体内のウイルス量は高いままだった。

「このままでは亡くなる可能性が極めて高かったことから、体内のウイルス量を減らすことがわかっているレムデシビルの投与を検討したのです。海外では2つの良好な経過をとった症例が報告されていました。そこで、当院の院内倫理委員会に申請を行って承認を得たうえで、レムデシビルを製造している製薬会社にも問い合わせ、助言をもらいながら投与が決まりました」

 連日、血液透析を2時間行った後、レムデシビルを100ミリグラム投与し、透析除水も積極的に実施。投与開始からすぐに酸素飽和度は改善し、投与4日目にはウイルス量が検出感度以下にまで減った。採血検査でも副作用は認められず、10日目には労作時の低酸素血症も見られなくなり、無事に自宅退院できた。

「毎日2時間の血液透析を行うことで、なるべく腎臓に成分を蓄積させないようにしながら、レムデシビルの投与量も通常は初回200ミリグラムのところを100ミリグラムに減らしてリスクを低減させました。治療結果は良好で、退院時はご自身で歩いて帰宅されています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が