著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

空腹ホルモン「グレリン」はがん治療と大きく関係している

公開日: 更新日:

 1カ月後の外来診察では、Dさんは頭をかきながら診察室に入ってきました。スナック菓子はかなり控えたと言っていましたが、体重は減っていません。私はちょっと“脅し”のつもりで、「半年経って3キロ以上痩せなければ、外科に頼んで胃の手術をしてもらいましょう」と言ってみました。すると、Dさんは少し驚いたように「胃の手術で痩せるのですか?」と聞くのです。

 そこからこんなやりとりが続きました。

「胃を小さくすれば、食べる量も減るでしょう。それからね、胃の手術をすると食欲が減る効果もあるんですよ。グレリンという胃から出る空腹ホルモンがあって、胃の手術でグレリンを分泌するところを切除すると、食欲が減る効果があるんです」

「分かりました。でも、手術はしません。スナック菓子はきっぱりやめます」

肥満は、内臓脂肪がたまって肝臓にも腎臓にも肺にも良くありません。コロナ感染でも肺炎がひどくなりやすいのです」 その後、Dさんは真面目に外来診察を受けに来るのですが、なかなか痩せません。普段からもっと歩くことや、定期的な運動を勧めています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  5. 5

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  1. 6

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 7

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?

  3. 8

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  4. 9

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  5. 10

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機