著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

自宅で家族が息を引き取った時、どうすればいいのか

公開日: 更新日:

 その患者さんは、急性リンパ性白血病と外傷性くも膜下出血を患う85歳男性。一軒家の1階に患者さん、2階に息子さんが住んでいました。

 在宅医療は、その息子さんからの申し出によりスタートしたのでした。息子さんから伺った話によると、奥さん(息子さんにとっては母親)へのDVがあり、そのために別居。

 息子さんは独身で、ひとつ屋根の下に住んではいるものの、交流はなく電気がついているかどうかで生存確認をする程度。しかし病気のことを知り、「一人で孤独に死んでいくのはかわいそう」「これで最後かもしれないから」という気持ちが芽生え、母親や結婚している姉へも呼びかけ、ご家族が再び気持ちをひとつにして、患者さんの残された時間を見守ることになったといいます。

 そうして在宅医療を開始しておおよそ2カ月後、患者さんは旅立たれました。短い残された時間の中、患者さんにまだ食欲がある頃には、孫たち(お姉さんの子供)も訪れ、かつて家族がひとつ屋根の下に暮らしていた時、夕ご飯によく食べたギョーザをみんなで召し上がったそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 4

    広末涼子は免許証不所持で事故?→看護師暴行で芸能活動自粛…そのときW不倫騒動の鳥羽周作氏は

  5. 5

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  1. 6

    【い】井上忠夫(いのうえ・ただお)

  2. 7

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  3. 8

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  4. 9

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  5. 10

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育