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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

三ツ矢雄二さんは前立腺がんで手術を選択 3つの指標で「治療せず」も

公開日: 更新日:

 健康な前立腺は、尿道を囲むクルミほどの小さな器官です。しかし、肥大するとオシッコが出にくかったり、トイレが近くなったりして、中高年男性には厄介な悩みの種になります。

 そこにできる腫瘍が前立腺がんで、声優の三ツ矢雄二さん(67)は前立腺がんであることを公表。今月中に手術を受ける可能性もあるそうです。

 それを調べるための検査がPSA検査で、採血で簡単に分かります。人間ドックなどの検査項目に含まれていることも多く、中高年にはおなじみかもしれません。4.0ナノグラム/ミリリットルは前立腺がんの可能性があるため、無症状で見つかることも増えています。

「早期にがんが見つかったら、切っておこう」

 多くのがんで、この考え方は王道です。しかし例外もあります。その可能性を考える必要があるのが、前立腺がんと前回紹介した甲状腺がんなのです。

 ラテントがんとは、直接の死因にならず、別の病気で亡くなった方の解剖で見つかったがんを指します。前立腺がんのガイドラインによれば、70代で2割、80代で3割、90代で5割がラテントがん。多くの高齢男性が前立腺がんを持ちながら、問題なく生活しているのです。

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