著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

西郷輝彦さんは前立腺がんが「消えた」 最先端PSMA治療の効果とは

公開日: 更新日:

 俳優・西郷輝彦さん(74)の前立腺がんが劇的に改善したことが話題となっています。西郷さんのユーチューブなどによると、ステージ4のがんを治すべく、豪州に渡り、最先端治療のPSMA治療を受けたそうです。当初、治療は3回の計画で、2回目にCT画像上は「がんが消えた」というのです。

 ご自身の動画や報道などから、これまでの経過を振り返ると、2011年に前立腺がんを全摘するも、6年後に再発し、骨転移が発覚。抗がん剤治療や放射線治療などで進行を抑えながら仕事に励んでいましたが、コロナ禍の自粛中に前立腺がんのマーカーであるPSAが急上昇。がんは背中や胸に広く転移していたそうです。

 国内ですべての標準治療を受けていたため、いちるの望みを託したのがPSMA治療でした。日本では未承認のため、豪州に渡ったわけです。

 PSMA治療とは、前立腺がんと転移部分のみに集まる放射性薬剤を用いた放射線治療のこと。これを注入すると、前立腺がんの表面にある特殊なタンパク質PSMAに結合し、薬剤が放射線を出すことで、がん細胞のみをピンポイントで叩くことができる仕組みなのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末