膀胱(上)過活動膀胱は女性よりも男性に多い 医師が解説
加齢に伴って増えてくる「尿トラブル」。その代表的な疾患が40歳以上の日本人の8人に1人が罹患しているとされる「過活動膀胱」だ。さまざまな原因で引き起こされる症候群で、「急に我慢できない尿意が起こる(尿意切迫感)」「一日中、何度もトイレに行く(頻尿)」「就寝中に尿意で目が覚める(夜間頻尿)」「トイレに間に合わず、漏らしてしまうことがある(切迫性尿失禁)」が特徴的な症状になる。
ただし、頻尿(日中の排尿回数が8回以上)の原因を過活動膀胱だと思い込んでいる人は多いが、必ずしも過活動膀胱と頻尿はイコールではない。「尿トラブルは自宅で治せる」(東洋経済新報社)の著者で「永弘クリニック」(埼玉県新座市)の楠山弘之院長が言う。
「表れている尿トラブルの症状が過活動膀胱であると決定づける一番の要素は、急にトイレに行きたくなり、我慢できないほどの尿意切迫感が週に1回以上あることです。通常は、トイレに行きたくなり、だんだん我慢できなくなります。尿意切迫感の場合は、トイレに行きたくなる兆しもなく、突然行きたくなるのです。ですから、切迫感を伴わず、ただ排尿回数が多いだけでは過活動膀胱ではありません」