Zoom導入で訪問診療の移動をしつつ顔を合わせての会議が可能に
やはりオンラインでのカンファは難しいのか……。そう諦めかけていたところ、たまたまご一緒した名古屋のクリニックの方が、「同じような悩みを抱えていたのですが、解決しました」とおっしゃるではないですか! どうやって解決したかというと、オンラインツール「Zoom」によって、です。コロナ禍の今でこそ広く知られるようになりましたが、当時はまだまだ珍しい存在。それをいち早く使い始め、問題はすべてクリアしたとのこと。
さっそく我々も導入したところ、それまでの苦労がウソのようになりました。一方通行で話すだけだった会議が双方向になりスムーズ。現在は、いつでもどこでも誰でもがカンファに出席できるようになり、スタッフ間での情報の共有化がよりしやすくなりました。その日担当した少数のスタッフだけが患者さんを支えるのではなく、医院全体で常に支えられるようになったのです。夜間の申し送りも「Zoom導入以前」はメールで共有していたのが、口頭で申し送りができるようになり、メールでは伝わりにくかった空気感・ニュアンスなどが伝わるきめ細かな申し送りができるようになりました。
在宅診療では日々患者さんやご家族の気持ちが揺れます。私たちは、その微妙な気持ちの変化を大事にしながら、患者さんやご家族に寄り添い診療方針を決めるのですが、朝昼夜と時間帯を気にせず口頭で申し送りできるようになったのは非常に大きい収穫です。
この一連の出来事で、在宅医療という医療サービスも、新しい技術によってより便利で使い勝手の良い身近な医療へと改善されていく可能性を秘めていると、強く思いました。