膀胱(下)中高年男性の“おもらし”のメカニズム 医師が解説
急に我慢できないほどの尿意が起こる「尿意切迫感」を主症状とする「過活動膀胱」。他の症状として「頻尿」「夜間頻尿」「尿失禁」が加わる場合がある。
原因は、脳や脊髄に病気があって排尿をコントロールしている脳の神経に異常が出ている場合と、脳の神経回路とは無関係で原因がはっきりしないものがある。
いずれにしても膀胱に尿が十分にたまっていないにもかかわらず、膀胱から異常な信号が脳に伝わり、急に尿意に襲われるのだ。
脳の神経回路に異常がある場合には、その原因疾患の治療が必要になる。神経回路と無関係の場合は、膀胱の老化や炎症、血流障害、自律神経の乱れなどさまざまな要因が関係する。特に男性は前立腺肥大症によって尿道や膀胱が圧迫され、それに伴って過活動膀胱が起こることが多い。
「尿トラブルは自宅で治せる」(東洋経済新報社)の著者で、「永弘クリニック」(埼玉県新座市)の楠山弘之院長が言う。