特殊な心筋梗塞「MINOCA」はどんな病気なのか 世界中で注目

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 通常の場合、心筋梗塞と診断されれば、速やかに治療が行われる。冠動脈が詰まっている場合、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と呼ばれる治療が実施されている。足の付け根や手首からバルーンが付いたカテーテルを挿入し、冠動脈の詰まっている箇所に到達したらそこでバルーンを広げて血管を拡張し、血流を再開させる。

 NSTEMIでは、抗凝固薬や血小板凝集抑制薬などによる血栓予防、β遮断薬による交感神経を抑える治療が行われるケースが多いという。

「しかしMINOCAは、胸痛など心臓の虚血が疑われる症状があり、心筋トロポニン値が一過性に上昇していても、冠動脈造影検査で冠攣縮や狭窄が認められない。さらに心エコー検査やMRI検査を行っても、たこつぼ心筋症、心筋炎、心筋症といった胸痛や息切れの原因になる疾患もありません。そのため、診断すらつかない場合も少なくないのです。そのままとくに治療は行われずに経過観察とされ、病状を悪化させてしまうケースが危惧されています」

 海外では、MINOCAは心筋梗塞全体の5~10%が該当すると報告されていて、一般的な心筋梗塞の患者に比べてやや年齢が若く、女性、非喫煙者、非糖尿病、非肥満が多いという。また、脂質異常症や高血圧症の人も少ないとされる。冠動脈疾患において、ハイリスクとされる因子を持っていない人に患者が多いといえる。

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