自己流で押してはいけない「危ないツボ」はあるのか?
ツボと急所が同じ位置にある場合、前述したように押し方が大事になりますが、東洋医学では刺激の与え方にも法則があります。「アルントシュルツの刺激法則」と呼ばれ、刺激の強度、神経や筋の興奮性についての法則です。4段階あって、①弱い刺激……生命活動を活性化するために体内の組織の働きを目覚めさせる刺激②中程度の刺激……組織の働きを高進させ、気血の促進を起こすための刺激③強度の刺激……生理機能を抑制させるための刺激④最強の刺激……生理機能を停止させる刺激、です。①②がツボ押しと呼ばれるもので、④は急所の刺激と呼ばれるもの。③はどちらにも作用するといわれています。
ツボを押す時は、圧力を加えずに手のひらや親指で痛みを感じない程度にしましょう。呼吸に合わせて押すと効果的です。不安な方は「漢方科医」のいる病院で聞いてみるのもいいでしょう。
▽泉さくら(いずみ・さくら) 2013年琉球大学医学部卒業後、東京大学医学部付属病院皮膚科入局。帝京大学医学部付属病院、東京大学医学部付属病院勤務などを経て、19年にココメディカルクリニック院長就任。