著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

藤子不二雄Aさんは術後7カ月で…大腸がんと腸閉塞の予防の盲点

公開日: 更新日:

 手術などで腸壁に傷がつくと、そこを修復するためのタンパク質が分泌されます。その働きで、腸が、傷口や腸壁などと癒着。その部分を中心に、腸がねじれたり折れたりすると、腸閉塞が生じるのです。

 そうなると、絶食が必要で、治療に時間を要し、手術が必要になることも珍しくありません。(A)さんは、鼻から腸まで管を入れ、滞っているものを吸い取る治療をして、退院できたのは20日後だったそうです。

 大腸がんは、肉や油ものを中心とする欧米の食事がよくなく、繊維質の豊富な野菜や海藻は予防になります。ところが、こと術後に限ると、消化しにくい油ものに加え、野菜や海藻なども腸の負担になります。野菜が好物の(A)さんも、術後の食事制限がつらく、控えていた酒も少しずつ飲むようになって、中華料理店での食事を終えると、腹部の激痛を感じたそうです。

 腸閉塞に確立された予防法はありません。早食いや暴飲暴食を避け、消化の悪い食品を控えることが大切です。便秘解消のため、繊維質が豊富な野菜や海藻、キノコなどをたくさん取る人がいますが、腸に詰まりやすく逆効果。水分をこまめに取って、よくかみ、適度な運動を心掛けるとよいでしょう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった