今や死因の10%強 急増する「老衰」を年間200人を看取る名医から学ぶ

公開日: 更新日:

 動くと息切れがするので、より動かなくなると、ますますADL(日常生活動作)が落ちていくという悪循環になる。この段階で、無理に水分を取りすぎたり、必要のない過剰な点滴をしてしまうと、足がむくんだり、肺や心臓に水がたまるなど体に負担がかかり、余計に苦しくなる。

「食べ物も無理に食べさせると、のみ込む力が弱くなってきているので誤嚥肺炎を起こすリスクが高くなり、『老衰』ではなく、死因が『誤嚥性肺炎』となってしまうこともあります」

■自然死は美しい

 亡くなる数日前には、血圧がさらに下がり、70以下になる。一日のほとんどを寝て過ごすようになり、口からほぼ何も食べられなくなる。手足の血液循環が悪くなり、紫色になるという。

「これは、最期の時間まで一番大事な脳や心臓に可能な限り血液を届けるために手足の末端まであえて血液を循環させない体の大事な反応なのです。その時には、指先から測る酸素飽和度は測れなくなったり、異常に低い数字が出ますが、焦らないでください。この時期になると、採血結果、血圧や酸素飽和度などの『数字』は気にせず『体に出る症状』だけに注意することが大切です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」