著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

他人の目を気にするのは杞憂 みんなはあなたを見ていない

公開日: 更新日:

 自分の髪形や服装が変じゃないか気になる。あるいは、飲食店で誰かが自分のことを見ているのではないかとそわそわする。誰かの視線を意識してしまう──。そういった自意識過剰ともいえる「気にしすぎ」な一面を、誰もが持っているのではないでしょうか?

「スポットライト効果」という言葉があります。これは、自分の外見や行為に対して、他者が実際以上に関心を持っていると考える、自己中心的な偏見を指します。

 コーネル大学のギロビッチは、学生たちを対象にスポットライト効果を確かめる、ある心理実験を行っています(1999年)。

 まず、大多数の学生に、「こんなプリントのTシャツは恥ずかしくて着ていられない」と感じるTシャツ(一言で言えば誰が見ても変だと感じるダサいTシャツ)を着てもらいました。その後、学生集会に顔を出すようにお願いし、1分ほど滞在した後、会場を出てもらいました。学生たちは、当然のように恥ずかしいと感じたようで、逃げるように会場を後にしたといいます。

 ところが、ギロビッチが学生集会で、「さきほど、ここに変なTシャツを着た人が来たことを覚えている人はいますか?」と質問すると、手を挙げたのは全体の24%にとどまっていました。誰が見ても変なTシャツを着ている人でさえ、4人に1人しか見ていないという結果が明らかになったのです。ものすごく目立つ服装でさえ、4人に1人しか気が付いていないのですから、普通にしているケースであれば、ほとんどの人が気付いていない。自分自身が気にしているだけであって、周りの人は、あなたが感じているようには感じていないというわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」