永田宏
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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

自宅が寒いと健康に悪いが…「断熱」と「換気」のジレンマ

公開日: 更新日:

 家が寒いと健康に悪いのですが、断熱性を高めようとすると、換気が悪くなるというジレンマがあります。

 2000年以前に「シックハウス症候群」という言葉が注目されたのを覚えている人も多いと思います。新築住宅の建材に含まれていた化学物質が原因で生じた喉の痛みや頭痛などです。家の気密性を高めた結果、室内の有害物質の濃度が上がったのでした。また、湿気もたまりやすくなり、カビやダニなども含むハウスダストが大量に発生して、体調を崩す人も多く出ました。

 そこで、2003年に建築基準法が改正され、シックハウス症候群の主な原因物質に、使用禁止や使用制限が課せられました。さらに、室内の換気を確保するため、家の床面積に占める窓などの開口部の比率を一定以上確保すること、換気口と換気扇を適切に設置することなどが義務付けられたのです。それらの措置によって、以降に建てられた住宅では、シックハウス症候群は大幅に減っています。

 新型コロナ対策でも、換気の重要性が強調されています。新型コロナは、主に空気感染(エアロゾル感染)で拡大するからです。

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