永田宏
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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

自宅が寒いと健康に悪いが…「断熱」と「換気」のジレンマ

公開日: 更新日:

 ただ、換気は家の断熱・保温と相反しています。室内の暖かい(冷たい)空気を外に逃がし、逆に外の冷たい(暑い)空気を取り込むので、室温が大幅に上下することがあります。花粉症の季節には、窓を開けられない人が大勢います。しかも電気料金の値上げや節電要請などもありますから、心理的にも経済的にも抵抗感があるはずです。

 そこで注目されているのが、空気清浄機です。最近のモデルは、シックハウスの原因物質やたばこの煙だけでなく、ハウスダストや細菌、ウイルスの除去もできるようになっています。厚生労働省でも、空気清浄機の使用が新型コロナにも有効としています。

 しかし、空気清浄機を過信するのも問題です。二酸化炭素(CO2)は除去できないからです。室内のCO2は、人がいるだけで上昇します。大気中のCO2は約400ppmです。しかし、これが2000ppmを超えると、本人は気づかないような心拍や血圧の変化が生じ、3000ppmを超えると人によっては頭痛や耳鳴りが出てきます。そして4000ppmに達すると、脳の機能に影響が出て、判断や問題解決能力が鈍ってくるとされています。

 火を使用していなくても、閉め切った部屋に長時間こもっているのは、やはり健康によくないのです。

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