自宅で過ごす大切な時間を積極的に充実したものにしたい
日常生活を送る上で、必要最低限の行動(食事、排泄、入浴、更衣、移動など)を「ADL(Activities of Daily Living)といいます。これに似た言葉に「IADL」があります。
これはADLに(Instrumental=有益・手段的)の頭文字が付いたもの。掃除、料理、洗濯、買い物、電話対応、服薬管理、金銭管理といったさらに高度な判断力や行動力を必要とする生活行動を表しています。
一般的にこのIADLが維持できなくなると、やがてはADLも維持できなくなります。いずれも健康的な生活を送るためには欠かせない前提能力であることに違いはありません。
とりわけ在宅医療を始められる患者さんにとっては、IADLやADLがどの程度のレベルなのかを見極めておくことは、療養を開始する上でも重要なポイントといえます。
なぜなら、介護用ベッドやポータブルトイレ、手すりといった介護用具や設備などの環境調整の内容が、大きく変わってくるからです。
そして在宅医療を導入するタイミングとして、IADLが低下してから始めるのか、それともADLが低下してから始めるのかではその後の療養生活の質も大きく違ってきます。