石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

降圧剤は60歳以上では3年続けないと意味がない? 米医学誌で報告

公開日: 更新日:

血圧の薬は続けて飲まないと意味がない」というのは、高血圧の患者さんによく指導される内容のひとつです。ただ、その期間が正確に示されることはあまりありません。実際に高血圧の薬は、どのくらいの期間飲み続けないと効果が出ないのでしょうか?

 上の血圧が200㎜Hgを超えるような場合には、すぐにも脳出血などの危険がありますから、ただちに血圧を下げる必要があります。その場合の血圧の薬は、たとえ数日でも飲むことに意味があります。

 ただ、そこまで重症ではない高血圧を治療するのは、高血圧が続くことによって進行する動脈硬化に伴う、脳梗塞心筋梗塞などの病気の予防のためです。

 この予防のための高血圧の治療は、ある程度の期間は継続しないとその効果が明らかにはなりません。そこで問題になるのは、60歳以上の中高年で高血圧の治療を始める場合です。この場合、どのくらいの期間、薬を続ければ病気の予防効果があるのでしょうか?

 今年の米医師会の内科専門誌に、それについての研究結果が報告されています。これまでの臨床試験データをまとめて解析したところ、100人に1人の病気の予防のためには、高血圧の治療を約3年は続けないといけないことが明らかになりました。60歳以上で開始した高血圧の治療は、最低でも3年は続ける必要がありそうです。

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