池田陽子
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池田陽子薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

【そば】「気」をスムーズに流す働きが高くメンタル不調を改善

公開日: 更新日:

 最近やたらイライラする。そうかと思えば、突然気持ちがふさいで涙が出る……。感情の起伏が激しい「情緒不安定」の状態が続くとつらいものです。年齢を重ねると心のバランスを崩しがち。身体的な機能の衰えによる不安感はシニアにとって大きなストレスになります。また、記憶力の低下によって自分の判断に自信が持てなくなったり、物事をじっくり考えることに疲れて気が短くなり、カッとするなど感情の変化や落差が激しくなるケースも多いのです。

 さらに、定年後の環境変化や身近な人の死などによる孤独感や焦燥感は情緒不安定に拍車をかけてしまいます。情緒不安定な状態が長く続くと、うつ病に進行したり、身体疾患としての症状が現れるリスクがあります。早めに対策を講じましょう。

 中医学では、情緒不安定は人間のエネルギー源である「気」の巡りが悪くなっている状態と考えます。気の巡りは自律神経と重なっています。気は全身をくまなく巡っているのが正しい状態ですが、その流れが滞ると自律神経のコントロールがうまくいかず、情緒不安定になりがちです。また、ガスやゲップ、しゃっくり、ため息が多くなったり、不眠といったトラブルもみられます。とくに春は一年でもっとも情緒不安定になりやすい季節です。自律神経をつかさどる臓器「肝」がバランスを崩しやすいため、感情のコントロールが利きづらくなるのです。心して、食養生によるメンタルケアに努めましょう。情緒不安定を改善するためには、気を巡らせる作用のある食材を取り入れることが大切です。

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