著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「暗記」はシチュエーションと結びつけて行うと効率がいい

公開日: 更新日:

 何かを覚えたり学んだりするインプットの時間が足りない──。「ドラえもん」に登場する“暗記パン”ではないですが、そんな魔法のようなインプット法を夢見たことがある人はたくさんいるのではないでしょうか?

 ひみつ道具とまではいかないものの、音を覚えたり、単語を覚えたりする場合であれば、実は睡眠学習は効き目があるといわれています。

 米ノースウエスタン大学の実験(2009年)では、被験者にピアノのメロディーの演奏方法を示した鍵盤の図解を2つ見せ、各旋律につき同じ時間だけ練習してもらいました。練習後、被験者は90分の仮眠。その際、練習した2つのメロディーのうち一方だけを4分間静かに流し続けたところ、その睡眠中に流したメロディーの方が、流していないメロディーよりも演奏できる被験者が4%多かったといいます。ただし、たった4%です。睡眠学習に期待しすぎてはいけないとも言え、あくまで基礎学習は必要です。

 実験を行ったリーバーによれば、「においもまた記憶の定着のきっかけとなる」と話しています。もしローズマリーの隣で、スペイン語の単語を覚えるとしましょう。その場合、ローズマリーの香りを感知すると、同時に覚えたスペイン語の単語も浮かびやすくなるというのです。このように、何かと紐づけることで記憶を強化しやすくなるテクニックがあるんですね。

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