堀田秀吾
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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「腐ったリンゴ」の実験…組織に悪影響を与える人物とは?

公開日: 更新日:

 上司や同僚と仕事をするとき、みなさんが最も回避したいことは何でしょうか? たとえば、足を引っ張られ、生産性が低下する──などは多くの人が避けたい環境でしょう。

 オーストラリアのニューサウスウェールズ大学で組織行動学を研究するウィル・フェルプスらは、組織やグループで仕事(作業)をするとき、どのような人物が悪影響を与えるかを明らかにした「腐ったリンゴの実験」(2006年)を行っています。日本では、たった一人の存在が悪影響を及ぼすことを「腐ったミカン」と表現しますが、こうしたケースは万国共通とは興味深いですね。

 フェルプスは、グループに悪影響を与える人間は次の3つの傾向があると指摘しています。①性格が悪い人②怠け者③周りを暗くする人(愚痴や不満が多い人)です。

 そこで、この実験では20代男性の仕掛け人に①②③を演じてもらい、何も知らない被験者グループに紛れ込ませ、どのような影響が明らかになるかを調べました。

 結果は、みなさんの想像通り。仕掛け人が入るとグループのパフォーマンスは、なんと30~40%も低下したそうです。仕掛け人が怠け者を演じれば、引きずられるように他のメンバーも労力をかけずに仕事をしなくなり、仕掛け人が愚痴を吐けば、連鎖するように仕事の愚痴を吐くように……。

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