少量の飲酒習慣は心臓病の予防効果あり 米国心臓病学会誌で報告
適度な飲酒は健康に良い、というような意見が、以前は専門家からもよく聞かれました。しかし最近の研究では、少量であっても飲酒の習慣には健康面のリスクがある、という見解が一般的になっています。
しかし、狭心症などの心臓病についてみると、少量の飲酒習慣に病気の予防効果がある、というデータが存在しています。
今年の米国心臓病学会の学会誌に発表された論文によると、5万人を超える健康調査の結果として、飲酒習慣のない場合と比較して、1日1合相当くらいまでの比較的少量の飲酒習慣のある人は、心臓病などの動脈硬化に伴う病気のリスクが2割以上低くなっていました。ここでPET検査という、脳の機能を調べることが出来る検査の結果と比較してみたところ、少量の飲酒習慣のある人は、飲酒習慣のない人と比較して、脳のストレス反応が低くなっていることが確認されました。これは一般に「ストレスに強い」といわれる状態です。
つまり、アルコール自体が心臓病を予防している、ということではなく、少量の飲酒習慣のある人は人生を楽しんで生きている人が多く、リラックスすることがうまいので、それが血管の緊張を抑え病気の予防につながっている可能性がある、という結果です。アルコールに限らず、人生を心に余裕を持って楽しむような姿勢が、実は一番の健康法なのかもしれません。