認知症を発症してからもお酒は飲んでいいのか…注意点は?
認知症を発症した親と以前のように一緒に晩酌したい--。そう希望するご家族も多いのではないでしょうか。アルコールはかねて認知症との関連が指摘されてきました。日本酒3合以上といった大量飲酒を長期間にわたって続けると、脳の前頭葉を萎縮させ、認知症の発症を促進させると明らかになっています。また、すでに認知症を発症した方が大量飲酒をすると、認知機能の低下速度を速めるリスクがあると報告されています。
一方で、少量であれば認知機能への悪影響はないとされています。認知症患者さんの飲酒は絶対にダメだと思っている方が多いのですが、発症前からお酒を飲む習慣があるがアルコール依存はなく、肝機能障害もない人であれば、発症後もお酒を飲んで構いません。
ただ、認知症患者さんがお酒を飲む際は、必ず家族が同席して飲酒量を確認してください。発症前は「このくらいにしておこう」と、自分で量を制限できていた人でも、認知機能の低下により量をコントロールできなくなります。日本酒であれば1合、ビールであれば350ミリリットルにとどめるといいでしょう。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒は度数が高く、酔いやすいのでなるべく控えてください。