少量のお酒でも脳が萎縮する可能性 英国医療データ解析で判明
お酒を飲むことの健康への影響については、いろいろな意見があります。「酒は百薬の長」という言葉があるように、少量のお酒は健康に良い、という考え方は昔からあり、赤ワインの成分が動脈硬化を予防する、というような研究もあります。
お酒をたくさん飲むことが健康に悪いという点について、科学者の意見はほぼ一致していますが、少量のお酒については議論のあるところなのです。
健康に害のないアルコール量はどのくらいでしょうか? 1日のアルコール量で20グラムくらいまで、というのが一番多い見解になっています。これは、ビールでいえば中瓶1本、日本酒で1合くらいの量です。
それでは、1日お酒1合以内であれば問題はないのでしょうか? 今年のネイチャー系の医学誌に、ちょっと気になる研究結果が発表されています。お酒を飲み過ぎると脳が萎縮して、認知症のリスクになるというのは、広く知られている知見です。イギリスで大規模な医療データを解析したところ、1日10~20グラムくらいの飲酒量でも、脳の萎縮が進行する可能性があることが明らかになったのです。データによれば、1日10~20グラムの飲酒により、飲まない人より脳が2歳ほど老化していました。
この違いをどう考えるかは難しいところですが、認知症の予防のためには、お酒の量を少しでも減らすことが大切ではあるようです。