「不整脈」自覚症状がゼロでもすぐに精密検査が必要なワケ

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定期的なセルフチェックが重要

 ただ、次の点を押さえておきたい。

「まず、不整脈は非常に気まぐれ。健診を定期的に受けていても見つかるとは言えません」

 記者の場合、健康診断で不整脈が見つかったが、たまたま症状が出ていたタイミングだったからで、違う時に受けていたら、見つかっていなかったかもしれない。

「次に、自覚症状がない場合もある。しかし不整脈がないというわけではなく、実はすぐに治療が必要な不整脈を持っていることもあります」

 不整脈の自覚症状として、動悸、息切れ、ふらつきなどがあるが、「疲労のせい」「年のせい」と捉えている人もいる。

 不整脈を早期発見するには、健診を受け、自覚症状を見逃さないようにするとともに、セルフチェックが重要。すぐできるのは自己検脈だ。手首の脈打っているところに、もう一方の手の人さし指、中指、薬指を15秒ほど当て脈拍を数える。安静時の正常値は1分間に50~100回なので、15秒の脈拍数を4倍するといい。脈の乱れがある時は、追加で1~2分ほど測定する。おかしいと思ったら、速やかに循環器内科の受診を。

「心電図アプリが搭載されたスマートウオッチ(多機能な腕時計型デバイス)や、脈を測定する機能が付いた血圧計を上手に利用するのも手。受診時は、これらの結果も持参するとなおいい」

 不整脈は出やすい時間帯や季節に個人差がある。そういう意味では、不整脈を起こしやすくなる60代以降は、いつでもどこでも測定できるスマートウオッチの利用が理想だ。

「不整脈が判明し、精密検査で治療が必要となれば、第1段階は薬。効果が見られなければ、カテーテルを太ももの付け根から血管を通じて心臓に挿入し、不整脈の原因箇所を高周波電流で焼灼する心臓カテーテルアブレーションが検討されることもあります」

 患者の中には、脳梗塞を起こしてから初めて心房細動(不整脈のひとつ)が見つかった人もいる。早くに心房細動を見つけ治療を受けていたら、脳梗塞を起こさなかったかもしれないのだ。

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