1人暮らしの高齢男性は「口の中の健康」を悪化させやすい…手遅れになるケースも
このような手遅れの状態まで悪化している患者は1人暮らしの高齢男性に多いという。
「奥さんに先立たれたり、ずっと独身だったりと事情はさまざまですが、1人暮らしの高齢男性は、生活習慣が乱れているケースが目立ちます。自炊する人が少なく、毎日、外食やコンビニ食で食生活が偏り、菓子パンだけで済ませる機会が多かったり、野菜はほとんど食べずに肉や炭水化物ばかりで、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足し、歯周病が促進されてしまうのです。また、家族の“目”がないために、歯磨きなどの日々の口腔内ケアが面倒になって、おろそかになるケースも少なくありません」
■「客観的な評価」と「周囲の目」が大切
一方、高齢でも妻や子供と同居している人は、「客観的な評価」で自分の口腔内の状態を把握できる。たとえば、一緒に食事をしているときに食べるスピードが遅くなっているとか、硬いものを避けるようになったと指摘されれば、「歯が悪いのが原因だからきちんと治療しよう」という意識になる。家族から、口臭がひどくなったと言われて、歯周病を疑い歯科医院に足を運ぶケースもあるという。