そううつ病は速やかな診断が必要…自殺リスクが一般の20~30倍
「さらに厄介なのは、双極症はパニック症などの不安症、アルコールや薬物の依存症、摂食障害、境界性パーソナリティー障害、ADHDやASDといった発達障害、PTSDなど他の精神疾患との合併(併存)も多い。そしてそれら合併症の方が問題視され、双極症は二の次にされがちなことが、一層対策を後手に回らせるのです」
双極症は、うつ病とは治療法が大きく異なる。うつ病の気分を安定化させる抗うつ薬が、そううつ病では不安定化させてしまう(または無効)のだ。
また、双極症ではうつの悪化時期だけ合併症も悪化することが多く、双極症が安定化すればそれだけで合併症が落ち着くことも多い。
■過去にわずかでも「ハイな時期」はなかったか
逆に双極症治療がなおざりにされて合併症治療だけに目を奪われると、治療が行き詰まることも多いと指摘されてきている。
「だからこそ、正しい診断に力を入れなければならない。絶対に必要なのは、過去のそう状態の有無です。わずかでもいい、ふだんの自分よりもハイな時期がなかったか」