専門医が教える「脊柱管狭窄症」の正しい対策…薬か、手術か?
腰部脊柱管狭窄症の手術は大きく分けて「切開手術(従来法)」と「内視鏡下手術」。どちらも全身麻酔で行われる。
「切開手術は傷口も大きく、入院日数も10日前後と長い。一方、内視鏡下手術は傷口が小さく、最新の術式では入院期間は2~3日。退院後、速やかに日常生活に戻れます。切開手術と内視鏡下手術では侵襲性に大きな差がある。脊柱管狭窄症の手術においては、内視鏡下が基本です」
「高齢だから手術はちょっと」と躊躇している人もいるかもしれない。しかし高齢だからこそ早く痛みやしびれを取り除き、活動性を落とさないようにしてフレイル対策に努めるべき。
「脊柱管狭窄症は、症状ありき。狭窄の程度で手術の有無を決めるものではありません。画像診断で神経が見えないほど狭窄しているのに、症状がごくごく軽い人もいます。かと思えば、狭窄はひどくなく、しかし患者さんの希望で手術をすると、劇的に症状が軽くなるケースもあります」
狭窄が脊柱管の何カ所かで起こっていても、それらが全て症状に直結しているとは限らない。
古閑院長は、事前の検査で慎重に確認し、必要な箇所にだけ手術を行うという。
内視鏡下手術では、退院後、病院に通ってのリハビリは不要。
「どんどん歩いてください。歩くことがリハビリです、と患者さんには伝えています」