通勤時間が長い人は「うつ病」になりやすい? 60分以上では…
総務省が行っている調査によれば、日本人の通勤通学時間は往復の平均で1時間19分でした。自宅と職場の間を定期的に往復する通勤は、慢性的な疲労や睡眠時間の短縮など、健康状態に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。
通勤時間が長い人では、趣味や運動などの健康に良いとされる活動を行うため時間が確保できないこともあるでしょう。また、混雑した公共交通機関の利用は、心理的なストレスを高める原因とも言えます。そんな中、通勤時間とうつ症状の関連性を検討した研究論文が、交通と健康に関する専門誌の2024年1月号に掲載されました。
韓国で行われたこの研究では、20~59歳の労働者2万3415人が対象となりました。研究参加者は1日当たりの通勤時間(自宅から職場までの往復)について調査を受け、通勤時間が30分未満、31~59分、60分以上の3グループに分類されました。また、精神的な健康状態について0~25点(点数が高いほど健康)で評価を行い、13点未満の研究参加者を「うつ症状がある」と定義し、通勤時間との関連性が検討されました。なお、研究結果に影響を与え得る年齢や性別、収入、婚姻状況、労働時間などの因子について、統計的に補正して解析されています。