著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

直腸がん手術経験者の桑野信義さんは「オムツ着用」…排便障害を避ける方法

公開日: 更新日:

「その後は排出障害になり現在もオムツをしている」と自らのブログに投稿したのは、ミュージシャンの桑野信義さん(66)です。肛門に近い直腸にできたがん抗がん剤で縮小してから手術で切除。手術で一時的に設置した人工肛門は3カ月ほどで閉鎖し、自分の肛門で便ができるようになったものの、トイレが近くなってオムツ生活だといいます。

 大腸がんは直腸がんと結腸がんを合わせたもので、直腸がんは4割を占めます。2022年の人口動態統計によると、大腸がんの死亡数は、男性2位、女性1位。食の欧米化や運動不足などで近年増加傾向にあるだけに、桑野さんの投稿は人ごとではありません。

 人工肛門になるかどうかは、肛門の開閉に不可欠な肛門括約筋と直腸がんとの距離によります。肛門括約筋との距離が2センチほど離れていれば、がんを切除してもこの筋肉を温存できるので、自分の肛門を残すことができる可能性が高い。

 それでもがんを切除して直腸をつなぎ合わせた場所が肛門に近いと、縫合部分が安定するまで排便を避けるため、3~6カ月ほど人工肛門を作ることがあります。傷口が安定すれば、人工肛門を外して、本来の肛門で排便できます。桑野さんはこのケースです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情