著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

血をサラサラにする「抗血小板薬」はまず2種類併用が多い

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 動脈の血管は簡単に破れないよう二層構造になっています。動脈硬化によって血管の層がひび割れると、体は生命の危機を回避するためにそこをなんとか補修しようとします。ひび割れたところからコラーゲンが出てきて、そこに血小板が接触することで「動脈が破れかけている!」というシグナルが発せられます。そのシグナルは血小板同士を結びつける効果をもっているため、多くの血小板が集まって塊、つまり血栓を作るのです。

 また、動脈硬化が進んだ血管は内径が狭くなります。そうした狭くなったところに血栓が流れてくると血管が詰まってしまう可能性があり、詰まると狭心症や心筋梗塞脳梗塞などの原因になります。

 抗血小板薬は、そういった状況を予防するために用いられます。その多くは、先ほどお話しした血小板同士を結びつける効果を持つシグナルを止めることで効果を発揮します。シグナルにはいくつか種類があるため、抗血小板薬にも複数の種類があります。

 心筋梗塞や脳梗塞を発症した後、多くは抗血小板薬を2種類併用しますが、異なる種類のシグナルを止める抗血小板薬が併用されます。2種類併用するのは一定期間ですが、その後も1種類は服用し続けなければならない場合がほとんどです。

 次回は抗血小板薬を使う際の注意点についてお話しします。

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