長寿研究のいまを知る(9)長寿におけるmTOR阻害薬とカロリー制限の関係

公開日: 更新日:

 問題は、いつでもどこでも食べ物が手に入る現代において、ヒトが生涯にわたってカロリー制限を続けることは困難だということ。スーパーでのおやつや冷蔵庫のなかのアイスクリームからの誘惑を断ち切るには強い意志が必要だ。

 そのため、カロリー制限の影響は短期的な研究とごく少数の経験談でしか語れないのが現状となっている。

 そんななか、最近はカロリー制限をずっと続けなくても短期間で繰り返すことでかなりの効果が得られることがわかっている。

「一定時間だけ体を飢餓状態にすることを繰り返す間欠断食が寿命の延長に効果があることがわかりつつあります。間欠断食の方法はさまざまで、1日の食事を8時間以内で取り、残り時間は何も食べない、という方法もあれば、1週間のうち2日はカロリー制限して残りの日数は普通に食べるなどがあります。ある研究では参加者に対して1カ月のうち5日はカロリー制限して残りの日数は普通に食べさせる生活を続けたところ、始めて3カ月で体重、体脂肪血圧などが低下しました」(根来医師)

 このときとくに注目されたのはIGF-1(インスリン様成長因子-1)の濃度が低下したこと。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    「救世主にはなり得ない」というシビアな見方…ピーク過ぎて速球150キロ超には歯が立たず

  3. 3

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 4

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  5. 5

    パワハラ疑惑の橋本環奈はやはり超多忙?マネジャーが6年前「あなたに想像出来ないほど環奈は忙しい」とファンに伝えていた

  1. 6

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 7

    闇バイトの応募者たちは一体何者なのか?若者に自重呼びかけるTV報道番組の「盲点」

  3. 8

    がんの4割がアルコール消費と関係? 米国がん協会の新たな研究結果に騒然

  4. 9

    日本一DeNAが「巨人に惨敗」の屈辱晴らす大補強!売上270億円超で原資に不安なし

  5. 10

    農相・法相の後任人事でも石破カラー封印…「党内融和」優先に世論ますますがっかり