足先の「冷え」から病気が見つかるケースはあるのか?
以前、「いくら足を温めても冷えが引かなくて……色も紫がかっているのですが、なにか病気なのでしょうか」と、当院を受診されたのは70代前半の男性です。下肢の血流の速度や方向を見るドップラー(エコー)検査や、手と足の血圧を同時に測定し、比を算出するABI(足関節上腕血圧比)検査の結果、ASOと診断しました。
重篤化すると、靴ずれや水虫などの小さな傷口から細菌に感染し、最悪のケースでは足の切断を余儀なくされます。
75歳以上の高齢者の2~3割に無症候性の血流障害が存在するとされるので、日頃からご自身で血流の有無をチェックする必要があります。
具体的な検脈の方法は、①裸足の状態で足の親指と人さし指の真ん中を触る②そこから5センチ程度足首側に下がった位置に指を3本軽く置く──この時に脈が触れない、左右差があると血流障害が疑われます。単なる冷え性と過信しないことが大切です。