早期の「乳がん」治療で新たな選択肢 乳房を切らないラジオ波焼灼療法が23年末から保険適用で実施
■基準を満たした施設、医師のみ実施可能
ラジオ波焼灼療法の乳がんの対象は「直径1.5センチ以下の早期乳がん」など厳密に定められている。乳がんの形は円形とは限らず、おたまじゃくしのような形もある。おたまじゃくしの“胴体”が1.5センチ以下でも、“尻尾”の部分を含めた大きさが1.5センチ超なら、適応とならない。
「実際に対象となるのは、肌感覚として早期乳がんの1割前後」
ラジオ波焼灼療法では術後の放射線治療がセットだ。これは温存療法でも同様。放射線療法終了後、3カ月前後で吸引式針生検でがん細胞の焼き残しがないかを確認し、見つかった場合は手術で切除する。
「RAFAELO試験では5年間の無再発生存割合を評価項目としており、長期的にも一定の評価はできると思います。ラジオ波焼灼療法の適応であっても、全摘、温存療法も含めてそれぞれのメリット、デメリットを説明し、最終的には患者さんが決定します」
ラジオ波焼灼療法は、どこの施設でも受けられるわけではない。施設基準、そして治療を実施できる医師にも基準がある。たまたま受診した病院、医師がそれに該当していない場合、ラジオ波焼灼療法の適応に合致していても、受けられない。