よくある介護の悩み(2)100歳近くてもリハビリで回復できるのでしょうか?
そうした状況に合わせ、リハビリの領域でも超高齢者が対象になってきたのですが、これまでは適切なリハビリがほとんど実施されていなかったため、「100歳に近い患者さんがリハビリでどれくらい回復したのか」という蓄積されたデータがありませんでした。つまり、いまわれわれが日本で実施している超高齢者のリハビリは世界でも未知の領域といえるのです。
そこで、今年6月に京都で開催される日本リハビリテーション医学会の学術集会では、われわれねりま健育会病院が開院して以来、回復期リハビリ病院でリハビリを実施した3000例の患者さんと、同じく老健で実施した1000例の患者さんを、年齢別や疾患別にどのような状態から、どれくらい回復したのかを解析し、まとめたデータを発表する予定です。
現在の日本の保険制度では、回復期リハビリ病院でリハビリを実施できる時間は「1日最大3時間(20分×9単位)」と定められています。一方、老健では、入所期間の3カ月は1日平均30分のリハビリを毎日行えますが、その後は2日に1回まで減ります。そうなると、やはり回復は難しく、維持レベルになります。こうした負荷量の違いによって回復度がどれくらい変わってくるのか、それを年齢別に解析すると、これまでなかった超高齢者の興味深いデータが見えてくるでしょう。
適切なリハビリを実践して体力と筋力を向上させれば、人生100年時代を元気に過ごすことができるのです。