特別訪問看護指示書で頻回の訪問…自宅での生活を徹底的にサポート
この患者さんの場合、皮膚がめくれて肉が見えるほどひどい床ずれがあったため、毎日欠かさずケアする必要がありました。そこで、この特別指示書を発行することになったのです。
患者さんの体重は約50キロ。介護する娘さんは小柄な方だったので、その点も考慮し、ヘルパーさんによる訪問入浴などは、福祉用具のリフトを使って、ご自宅での生活を徹底的にサポートすることにしました。
ある日、私は娘さんに、万が一の時の延命処置について確認させていただきました。
「お年を考えると98歳(当時)ですし、老衰の可能性も考えられます。もし、急に呼吸が止まってしまった場合など、延命処置はどうされますか?」(私)
「延命はしない、と本人が言っています」(娘さん)
どうやら、患者さんは入院される前から、ご家族にその意思を伝えていたようです。そのため、当面は床ずれのケアをしながら、ご家族との会話など、患者さんが普段の生活を取り戻せるようにすることを一番に考えました。