熊本地震にも予兆はあった 発生データが示す首都圏大地震

公開日: 更新日:

「想定外」と言われた熊本地震。確かに、九州は本州に比べ、普段から地震の頻度は少ない。ほとんどの人は「まさか!」と驚いただろう。しかし、気象庁のHPには“予兆”が色濃く出ていた。

〈別表〉は、今年1月1日から熊本地震前日の4月13日までに全国で起きた地震の数を集計したものである。気象庁の震度データベースから、震度1以上の地震をすべてピックアップ。3回以上発生した震源を抜き出し、数の多い順に並べた。

 43回も揺れた「トカラ列島近海」は、熊本県に近い鹿児島県十島村に属する島だが、「熊本県熊本地方」を震源とする地震も9回起きていた。

「統計学では、小さい地震が普段より多くなると、その後、大規模地震が起きやすいといわれています」(東北大災害科学国際研究所・遠田晋次教授)

 だとしたら、気になるのは次の巨大地震だ。相変わらず東北地方は多いが、「茨城県北部」「茨城県沖」「茨城県南部」「千葉県東方沖」「千葉県北東部」と首都圏でも頻発している。

「3.11から5年経っても大震災による地殻変動の影響が続いています。茨城や千葉をはじめ関東地域はプレートが3枚ぶつかり、常に押し合いへし合いしているため、もともと地震が多い地域で、大きい地震がいつ起きても不思議ではありません。3・11の後、さらに頻度が増え、首都直下が懸念される地域もまだ地震活動が高い状態です。活動の活発化による巨大地震の発生に注意が必要です」(遠田教授)

 他には、北海道地方や東海・東南海地震が懸念される中部地方で地震が続発している。覚悟はしておきたい。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  2. 2

    シニア初心者向け「日帰り登山&温泉」コース5選 「温泉百名山」の著者が楽しみ方を伝授

  3. 3

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  4. 4

    斎藤元彦氏猛追の兵庫県知事選はデマと憶測が飛び交う異常な選挙戦…「パワハラは捏造」の陰謀論が急拡散

  5. 5

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  1. 6

    兵庫県知事選「頑張れ、斎藤元彦!」続出の異常事態…まさかの再選なら県政はカオス確実

  2. 7

    別の百条委メンバーも兵庫県知事選中に「脅迫された」…自宅前に県外ナンバーの車、不審人物が何度も行き来、クレーム電話ひっきりなし

  3. 8

    悠仁さまの処遇めぐり保護者間で高まる懸念…筑付高は東大推薦入試で公平性を担保できるのか

  4. 9

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末

  5. 10

    異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末