北京五輪と四川大地震で中国でも認知され広告収入が激増
2008年、中国国内で大きな2つの出来事が起こった。北京五輪と四川大地震だ。小春網は聖火リレー妨害の排除活動と義援金の募集を呼びかけ、予想以上の成果を上げる。
それによって、日中両国のビジネス業界にもその名は知れ渡る。広告をサイトに載せて欲しいという相談が次々に舞い込んできた。もちろん、有料である。
「しめた、と思ったよ。この日をずっと待ってました。私は小春網を会社組織にして本格的にネットビジネスを展開したのです。サイトで広告を掲載するクライアントが年々増えて、今は年間、億単位の広告収入が入ってきます。アッハッハ」(王氏)
どんな商売にもリスクは付き物。まして時代の最先端を走るIT産業。小春網がスタートして以来、ずっとリスクと隣り合わせだったと言う。
「最初はサイバー攻撃です。日中関係が悪くなるたび、中国国内からのDDOS攻撃(不正アクセス)を受けます。日本を紹介し、情報発信しているから反日ネット水軍のターゲットにされるんです。対抗手段として、500万円もする防御ソフトを取り入れました。最近はネット詐欺などの犯罪が横行し、残念ながら小春網もよく悪用されます。そんな時、全面的に警察や入管に協力し、事件解決に一役買っています。また普段からユーザーたちには犯罪に手を染めないよう注意喚起をしています」(王氏)